沙鞍の作品 メモ

 

メモ

 

 

‘‘私は1年後まだ誠司のこと好きでいるのかなぁ?``
 

 そうメモ帳に書き込む。はぁ・・・何書いてんだか。でも最近気になるのだ。どれだけの間、1人の人を好きでいられるのか。

「・・・プッ。」

 ビクリとして、上を見上げてみた。そこに居たのは誠司だった。

「じょ・・・冗談だから・・・」

 これが、私の精一杯のごまかしだった。

「どうせ冗談じゃないんだろ?」

「冗談だってば!!!!!」

 おもわず大声を出してしまった。絶対ばれたくなかったから。

 誠司は少し目を見開かせたが、すぐにフッと笑って上目使いでこう言った。

「俺、知ってんだぜ?お前がうそつくとき下向くんだ。自分できづいてないだろ。」

 言われてみればそうだった。びっくりした顔の私を見て誠司は少し笑うと、

「俺はお前が好きだぜ?」

 と言って、少し頬を赤らめた。わたしのほっぺが熱くなっていく。

「私もだよ。」

 

念願の両思い。

このメモのお陰だ。

一年後のことは分からないけど

隣に誠司がいたらいいなと、今は願うだけ。

 

 

2008.11.26 訂正いたしました。

 

 

 

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