魅世の作品  メモ



 

メ   モ

 

 

 

 

 

 

カチ カチ カチ カチ・・・・

 

カチ カチ カチ カチ・・・・

 

規則正しい時計の音。真っ白い部屋。

 

カチ カチ カチ カチ・・・・

 

何も無い。時計の音だけが響いている。

 

カチ カチ カチ カチ・・・・

 

ここはどこ?私は何をやっているの?

 

カチ カチ カチ カチ・・・・

 

 

 

 

 

出して! ここから出して!!

 

カチ カチ カチ カチ・・・・

 

ドアは?窓は?ここは部屋なの?ここは何なの!?

 

どこまで進んでも、何も無い。誰もいない。

 

カチ カチ カチ カチ・・・・

 

誰も、いないの・・・?

 

 

 

 

カチ カチ・・・・ボーン、ボーン、ボーン・・・・カチ カチ・・・・

 

 

 

 

時計の鐘が鳴った。そのとたん、部屋の中に大音量で私の声が響いた。

 

三時に待ち合わせ三時に待ち合わせ三時に待ち合わせ

 

 

頭に激痛が走った。

 

痛い! 痛い!! 痛い!!!

 

真っ白な部屋が、瞬く間に黒く染められていく。

 

三時に待ち合わせ三時に待ち合わせ三時に待ち合わせ

 

いや、いや!ここは、どこなの!?私はいったい、誰なの!?

 

あなたはメモ。私のために働くの。

 

私は・・・メモ?じゃあ、ここは、どこなの?

 

ここは私の頭の中。私はあなた。あなたは私。

 

私は、あなたなの?

 

そう。私の中の私が、メモをしているのよ。

 

私が・・・?どうして?何のために・・・?

 

・・・・・・・・・。

 

なぜ私は私なの?なぜメモをしているの?

 

いやよ、私が現実の私なの! 私は私!!

 

ここから出して!! 誰か助けて!! 

 

いや、いやいやぁー!!!

 

 

 

 



 

 

 

 

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